たいとる : 『脈絡もないがつまりはそういうことだ』 (終了)
ながさ :短い
どんなおはなし :パパが帰ってきたぜー! な、BATMAN Inc中のジェイソンとディック。
今日も管理人は原書を読んだり読まなかったりしております。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
19.続 おにいちゃんとおとうと
[パパは帰ってきたが、次男は今日もムショ的なところにいる]
「ふ、ざ、け、ん、じゃ、ねーー! ぎゃはははははは」
「だろ !? マジ信じらんねェー !! アホだあの人ッ」
面会室に二人しかいないと思って、彼等のバカ笑いは止まらない。
机を挟み、容疑者A と エセ弁護士。
もしも、その場にドクター達がいたなら、
収容者357-428が笑う姿など、初めて見たと言っただろう。
たしかに、院内の彼は笑うどころか、会話を含めあらゆる他者を拒否した。
「それで? 今あの人は」
「元気だよ。 今は合法的に世界征服中」
けれど、身内をネタに身内と笑うのは、格別なのだ。
まともに座っていられなくて、目から涙が滲んでくるほど。
笑ってしまう。
「最近じゃ週末毎に滞在してる国が違うし、連れてる女も変わる」
「よー、ちゃんと言っとけ。 もっとマシなの選べって」
「へえ? 知ってるんだ」
「ニュースぐらいここでも見れる」
今やブルース・ウェインは、マスメディアにとって
単にゴシップを提供してくれるプレイボーイの大富豪ではなく。
その一挙一動に、世界中の目と耳が注がれている。
彼が次に何をするか、期待をしている。
その存在だけで、特大級のエンターテイメント。 Bravo! Bravo!
「自分をデッケェ "的"にしたいとしか思えねー」
「その分エサの食いつきが違う」
綺羅綺羅しい鏡の世界は、赤い柘榴のように弾けてみれば。
底は悪意と退廃と狂気とが醜悪な混濁をなしている。
その深淵は、漆黒の闇夜。
顔の無い、無情の王が支配する。
黒翼は悪夢を引き連れ、愚者達を断罪する。
「だから、この街に俺がいる。 あの人は今、他にすべきことがあるから。
……でも、あの人は、おまえのこと気にしてる。 ゴッサムに帰ってくる度に」
一瞬、ジェイソンから表情が掻き消え、
それから、へらりと笑った。
両目は鉛のように冷たかった。
ディックは、頬杖をついて上目遣いに、弟を見た。
「俺はその度に、ダメって言うんだ、あの人に。
あいつはまだ、あんたに会うにはもう少し時間が必要なんだ、てさ。
だから、あの人は代わりに俺をここに寄越す。
可愛いだろ? あの人は、俺とおまえが、仲が良いと思ってるんだ」
その唇を、にっと吊り上げる。
「俺、こんなにイジワルなのになァ」
ジェイソンは黙っていた。
ディックも何も言わなかった。
やがて、小刻みに震え出し、大きく破裂する笑い声。
気がふれたように、あるいは、絞首台で神を讃えるように、二人。
「ダメだあの人、なんにも変わってない……」
まるで溜息のように、ジェイソンは呟く。
笑ってしまうのは、その事実。
息をするのも苦しくさせる、その存在。
世界にその人がいるだけで、自分のあらゆるものが、蹂躙される。
F***!
腹の底から溢れ胸を引き裂く衝動は、絶望的なほど 歓喜に似ている。
そこに劣情が混じっていたとして、同類しか知り得ない。
「あの人なんて、死んじゃえばいいのに」
+++++++++++++++++++
お空にきらめく星の数よりもパパを愛してるってこと。
二人とも、その点についてはお互いのこと分かってるといいよ。
長男は長男で、心はいつでも全裸待機。
でもお呼びはかからない。
何故なら親子だからです。
厄介なお父さん。
わー! やっと終わったー! おつかれさまでしたー!!
原書のここらへんを読んでない方には不親切なものばっかりで……
とりあえず、吐きたかったことは吐き出したような気がします。
おつかれー!
←15-18
もどる→