たいとる : 『昔々ある所に、性格の複雑に屈折したダークナイトと、やることがちょっと大博打なグリーンランタンがおりまして』
ながさ :短い×13-16。
だいたいどのあたり :昔々のジャスティスリーグ。 14と15はお子様時代。
どんなおはなし :GL/蝙蝠小ネタ集。 セフレがいいとこな二人です。
ちゅうい :腐女子向けだよ。 16は品がよろしくないかもしれない。
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13.ウエストちょい下
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「あ、日焼け」
「夏だからな」
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坊ちゃまも一応地球の男子なので、夏になれば
水着で紫外線を浴びねばならない事態もある。
でも、見てすぐに気づくほど日焼けはしない。
日焼けしてない箇所と見比べて分かる程度。
14.渇く
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陽炎が揺れて
また嫌な季節がやってきた
炎天に雲の峰はただ遠く
どこに行ってみようもない
時間ばかりもてあまし
こんな場所に流れ着く
焼けついたフェンス
錆びた鉄のにおい
ざらつく風は黄土色して
唸りながら大地をけずる
立ち尽くせば
青空は 何かを弾き飛ばした後
昨日も今日もいじけた顔で
空気のようにふらふらと
結局ここが行き止まり
何を待つわけでない
(青空は影一つ残してくれなかった)
(太陽の中に銀の翼は消えた)
空っぽの目玉をひんむいて
乾いた風の真ん中で
歯を食い縛って
突っ立つ。
しけた面してこのガキは
さっと荒地を鳥が飛んだ。
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子供の夏休み。
思い出の中の一つの風景として。
子供の頃のお春さんを考えようとすると、
まず避けて通れないのがお父さんの墜落死なのですが。
お春さんは、普通に良い人なので、
普通に、人並みに、
人生の暗黒期の一つや二つあってもいいと思う。
といって、他人から見たらやはり普通の、良く笑う子供時代だったとも思う。
しかし、やりたいことのない夏休みは、しんどい。
現実以上に乾いてくる。
15.夏の終わり
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「坊ちゃま、どちらへお出かけですか」
真夏の夜の、少年の背は振り返らない。
昼間の暑気はしっとりと露をはらみ、
質量と温度を知る闇が流れている。
それは海というものに似ている。
無明の海は微かに百合の香。
「夜の散歩もよろしいものですね」
草を踏み分け細道は、
ひめやかに埋もれた汀をめぐり、
雲の絶え間の月の影。
少年は振り返る。
祈りのように蓮花の咲く。
「これは家出だ、アルフレッド」
ただ一言、威風堂々と。
少年は夜の向こうに消えていった。
「どうぞ、お早いお帰りを」
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その後、二十代中盤まで帰らなかったと仮定すると、家出より失踪に近い。
ゴッサムを離れたのは13、14才頃だと思ってるんですが、どうだったろう。
蓮は葉も好き。
睡蓮も良い。
16.いどだな
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「よし、分かった。 だったらこの話は後にしよう」
100年繰り返した奇妙な殺人事件はようやく終わりを迎え、
意図せざる空白の1時間17分23秒。
奪い合うように唇を唇で。
物事には、優先順位というものがある。
ややこしい後始末は、ややこしくなくなってから。
「あ れ?」
7日前から摩耗させた神経と忍耐と合理的精神その他、
抱き寄せて残り1時間13分07秒。 が、
「外れない…… おまえの、何でコレ、ベルト外れない」
冷たい眼の、夜闇の怪物の仮面は、
同じ色をした五本の指が自ら取り去った。
漆黒に広がる翼もするりと流れ。
藍色の双眸は、言葉でない隠微の、きらり。
けれど、そのベルトが、ハルの指では外れない。
「ちょ、笑ってんな! 何で今日のは難易度高いんだよッ
あ、クソ、何だよもう! 笑ってどうにも出来ないだろ!」
どちらの何がそんなに愉快なのか。
考えようとしてもまるで無意味で。
ただ、とめどなくあふれて笑う、
酩酊のバカ二人。
そんな如何ともしがたい1時間9分53秒。
「あー。 そこでそう外れるんだ。
……なあ、おまえのベルト、いつも何でも入ってるよな」
「言っておくがアレはない」
「ちょっと聞いただけだろ。 いいよ、コンドームがゼリー付きのだ、たしか」
「これのことか」
と、いつのまにかその指に。
夜闇のグローブは、技巧の手指。
怜悧で、俊敏で、いつも少しずるい。
無造作に床に落としたベルトの中には、黄色い何かも潜ませてあるに違いない。
その人差し指と中指が、今日は避妊具を摘んでる。
藍色の双眸は傲然と眺め、
けれど、何を物思うのか、
その眼に世界最高の探偵が一瞬現れ、そして消え。
「……ハロウィンの時にもらったのが傑作だったから、今度見せてやる」
「必要ない」
冷然と言い捨てる唇は、ふうわり 微かにほころんだ。
ハルは実際、この友人を、本当は打てば響くようだと思う。
鋼よりも厳格で、思いがけずしなやかで、
こうやって、額と額とを合わせ、
馬鹿馬鹿しいと、
微笑う。
月白の花が暗い淵から咲くように。
ハルは、だから、考えるのをもう止めてしまおうかと思う。
ずらして、割り込ませて、なぞって、突き上げて、
どこもかしこも切迫した熱になる。
「……休憩時間の延長は、ないんデスカ」
「無い。」
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疲れてるという意味でベロベロでグダグダ。
元々疲れてんだからついでに体力使ったって別にいいじゃない。
優先順位がおかしいのも疲れてるせいだよ。
そんなミラクル。
ユーティリティベルトは、本当に難易度が高いと電流走る。
ので、実際は大したことなかったと思われる。
お春さんは別に不器用でない。
ただちょっと笑っちゃっただけ。
ハロウィンのはあくまでネタ用であって普段使いではない。
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