たいとる　： 『昔々ある所に、性格の複雑に屈折したダークナイトと、やることがちょっと大博打なグリーンランタンがおりまして』
ながさ　：短い×9-12。
だいたいどのあたり　：昔々のジャスティスリーグ。
どんなおはなし　：GL/蝙蝠小ネタ集。 セフレがいいとこな二人です。
ちゅうい　：腐女子向けだよ。




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９．たまに誉められると

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人と人のいる所には、
必ず殺人もあるわけで。
黄色のテープと白いチョーク。
911にかけようとした携帯電話。
だけでなく。
海の底でも、空の上でも、
そこに死体と謎があるのなら。
探偵は颯爽と現れる。

闇夜の風、ざわり。


「どうだ？」
「フライト中に意識を失って墜落するトリックは解いた。
　犯人の見当も付いたが、まだ確認したいことがある。
　……しかし、ハル」
「ん？ 何で俺のファイル見てんだ？ これフライト記録か？」
「お前は自分の "事故回数"の多さをどう考えているんだ」
「ほー。 こんなになるんだ。 で？ おまえ俺の腕、疑ってんの」
「マシントラブルが起きても飛び続けようとする精神を疑っている」
「飛べるから飛んだ。 それだけの話だ」
「着陸した途端に出火した例もあるな」
「ちゃんと機体は地面に降ろしただろ」
「まあ、お前の腕は、疑ってない」
「え？ 俺今、ほめられてる？」
「お前の取り柄はパイロットとしての技量ぐらいだからな」
「それ、誉めてるのか」
「勿論だ。 だが、私なら事故のこの頻度に、事故以外の可能性を考えるが……」






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『DC UNIVERSE ORIGINS』を見つつ。
お春さん、the most expensiveなテストパイロットと書かれてるんですが。
お春さんの背景が炎上する機体で、つまり良く事故が起きる？と思ったのです。
よくわからん。
でもそれ、パイロットとしてどうなの。
蝙蝠はとりあえず血生臭い連想をする職業病。














10．三人目

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「あ。 ブルース」
「何だ」
「いや。 テレビ」

画面では、どこかのパーティーに女性をエスコートして現れた大富豪が、
リポーターに捉まってインタビューを受けている。
ハルが、ぐるりと首を巡らすと、隣のカウチ。
さっきから書類とラップトップで "お仕事中"のブルースが、
ものすごく嫌そうな顔をしてハルを見た。

「はいはい、邪魔しませんよ。
　てゆうか、おまえ何で俺ん家来て仕事してんだよ」
「イメージの問題だな。
　無能な道楽者のCEOは、昼間から真面目に仕事をしてはいけないものだ。
　少なくとも、社に関わる場所では。 もう少し場所を貸せ。 じきに終わる」
「別にいいけど、ここから出張か？」
「そうだ」

ラップトップから目を離さずに、
素っ気なく、ぶっきらぼうで、愛想がない。
ブルースは、たまに自分で気づいてない時があるが、
あとほんの少しどすを利かせると、ダークナイトの声になる。
これで、特に機嫌が悪いわけでもない。

世の中には、同じ顔をした人間が、三人いるらしい。

テレビの中の美丈夫は、柔らかに言葉を結び、
何かを含んだ流し目で、一瞬の、完璧なアングル。
優雅に立ち去る１シーン。
どちらかと言えば、ハルはもっとスリリングな映画の方が好みだ。
なあ、最近映画見たか？
と聞こうとして、隣の人間が仕事中だったのを思い出す。
ハルは、相手の都合が分かる大人なので、
静かに身体をずらし、そっと指先を伸ばす。
最初は、ブルースのこめかみの辺り。
そこから、眦をなぞって、頬を伝って降りる。
同じ顔をした一人目と二人目が、
まるで違う人間に思えるのは、どこを確かめてみれば良い。
藍色の眼球は微動だにしない。

「ハル、邪魔しないと言っただろ」
「邪魔にはなってない」
「気になる」
「気にしなきゃいい」

瞬きの、一度。
形なく移ろう一秒。

「お前に触られると、その気になるんだ」

三人目と、目が合った。








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もしブルース様が三人いたら。
少年と、二十中盤〜三十路と、犬と暮らす老人でお願いする。
四人目からは女体化解禁。

















11．ムカツク

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「言った」
「言わない」
「言った！」
「絶対に言ってない」
「ハァ !? おまえ俺が嘘ついてるって言うのか ?!」
「お前が私に嘘をつくはずがないだろ」
「そうだろ！」
「お前にそんな器用な芸当が出来るはずがない。
　なぁ、ハル？」





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基本的にムカツク。













12．後朝の雨

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ふと目が明いて
夢はどこかに飛び去った後
漠々と空白は眠る
ここに声はなく
ここに影はなく
薄闇の朧の底
横たわるのは
どちらの身体とも知れず
ただ滲んで混じるかと思えた
今は別れた、その名残と
幻の雨を聴く





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ゴッサムシティは東海岸で、コーストシティは西海岸だと思ってるんですが。
どうなんでしょ。
西海岸で枕草子を語るとかムリｗ という文章を前に読んで、
そんなもんなのかなあと思いました。











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