「一々煩いぞ! 貴様等ッ」


罵声は、この口が吼えていた。
そう気付き、私の意識は再生を始める。
我に返って見回せば、見慣れた調度、机、教皇宮の執務室。
そして、三人。
じっとこちらを見る六つの目。
アフロディーテはカップにコーヒを注ごうとしたまま、
デスマスクはケーキナイフを持ったまま、シュラは皿を置こうとしたまま、
私の顔を眺めている。
私は、どうも "私" が何か失態を演じたらしいことを、理解した。
「……何か、あったのか?」
「いや、大したことじゃない」
そう言うデスマスクの、腕ほども長さのあるケーキナイフは、
妙に底光りして見え、しかし私は、その冷たさが何に由来するのか分からない。
彼の傍には銀皿があった。
載せてあるのは、本日のお茶請けだろう、白いクリームのケーキが1ホール。
だが良く見ると、3時の時計のような、不思議な4分の3になっている。
何故だろうと考える間に、アフロディーテがコーヒーを私の前に置いた。
良い香だった。
「……サガー?」
視線を戻すと、白いケーキの上で、ナイフがゆらゆらと振り子のように。
「どれくらい切ろうか」
デスマスクに言われて、初めて気付いた。
甘い満腹感が私にはあった。
「いや、私はもういいよ」
その瞬間、三人が同じ表情で、にやりと笑うのを見た。
そして私は、先程この空間でどういう遣り取りがあったのか、悟った。
























03 ヤバイ!
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この後、サガの中で脳内千日戦争勃発。

黒さん(不動の甘味王)の言い分
「人の二倍以上脳を酷使するのだ。先んじて糖分を補給して何が悪い」


サガは愛されてるといいですよ、ホント。





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