『鈴の音二つ』




ミナフシロの青白い光を眺めているうちに
私はおまえが死んだことを知った。


おまえは彼に殺される。
おまえは怨嗟を吐きながら死んでいく。
束の間の後悔にも苛まれることなく。
或いは、おまえの呪いが彼を苛むこともなく。
おまえという存在はボルテクス界から消えていく。
ただの欠片すら残さぬようにおまえは消えていく。

そのことを、私は知っていた。
だからおまえの死は、私にとっては二度目の死だ。




おまえが生まれたときの顔を、私は知っている。
私が生まれたときの声を、おまえは知っている。
私たちは一緒の泥から生まれた。
そうして同じように、生まれたときから飢餓を知っていた。
おまえが飢えているもの
私が餓えているもの
それは、互いに異なりすぎていて、どうしようもないものだ。
決して相容れることはない。
相容れてはいけない。


泥の中から立ち上がり、歩き出したときから
おまえと私の道は異なっている。
おまえの目が見るものを、私は決して見ることがないだろう。
私の声が語るものを、おまえは決して心にとどめないだろう。
それでも、おまえと私は
仮初の、泥の身体をひきずりながら
ただただ、未来を求めて、歩き続けるのだろう。

まるで双子のように。




あの、生まれる前の、泥の中で。
二人餓えを分かち合い、互いを貪ったことを
私は覚えている。
おまえが私の手を食み、私がおまえの足を食んだ。
そのことを、私は覚えている。






ミナフシロの青白い光に、
どうしてか、私は人のように涙を流し、
そうしておまえが死んだことを知った。






























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フトミミさんとサカハギさんが、愛しくてたまらん今日このごろ。
人間としての彼等に何があったのか。
それは推測の域からまったく出るものではないので、あまり語れませんが。
マネカタとして彼等が望んだのは、互いが捨てたもの、拒絶したかったものなんじゃないでしょうか。
だからこの二人はいつまでも互いの影を食い合っているような気がします。

ところで。
サカハギさんのレベルアッププレゼント時の、
「悪党め!こんなものが欲しいんだろ」
って台詞がやたら好きなんですが。
たぶんサカハギさんの台詞なら全部見たと思います。
ええ、ずっと一緒に連れていましたから。

逃走加速。