ねすぎ。

寝過ぎだろ。

あー。

それでも 目 覚ました。

(今、何時ごろ?)

窓。 光の角度。
夜明か日暮れか雨雲の午後か。
カーテンの空 青い夜光貝の中にいるような。

(今日は何曜日?)

(どこにいるんだっけ?)

視線動かして、シーツの上。 広がった金色の波。 漣。 それは
ガキの頃とおんなじ顔して眠ってるすげー美人です。

(あー。 いつから こうやって ここにいるんだっけ)

きらきらと、ふわふわと、金の飴細工。
なんとなく腹が空いてたので、その髪を一房摘んで口に入れる。
そしたら、ぱちりと目を明けた。
奥まできらりとするような翠色。 飴細工の睫毛も光、 光。

「どうだ?」

どんな味がするのか と感想を聞かれ、

「……あー、」

俺は曖昧に笑う。
ぱくりと口に入れてみたが、それに歯を立てることは しない。
光を紡いだようなそれをかじれば、さらり 甘く溶けるように思うのだけれど。

「そうか」
「うん」

金色の、喰えない砂糖菓子。 元に戻して
かわりに目蓋をぺろりと舐めた。
































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当たり前な顔して今日も一緒にいる。 特に何もしない。


(07/08/20)

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