『青くなる』
痛いのか、熱いのか。
ずきずきと疼いて止まらない。
骨が捩れて軋んで血を噴き上げるように。
どうして、俺は。
飢えているのか渇いているのか。
喉奥が、臓腑が引き攣れて仕方がない。 咽ぶように吸い込む空気が炎。
鉄錆の匂いが鼻をつく。
いつから、俺は。
哭いているのか嗤っているのか。
ひしゃげて潰れた細胞はさっきから何を吼えてるんだ。 何処も彼処も煩くて鼓膜がいかれた。
神経が、熱い、熱い、疼く。
うずく、これは、左の、
俺の拳か。
「……なんだ……」
視界、新しく生まれ、
きついのを喰らって一瞬吹っ飛んだ意識、自分に引き戻す。
目の前が青く眩んでる。 世界の影が歪んで見える。 前が見えるなら、良い。
あいつなら、そこに居やがる。
嫌でも分かる、いつだって抉り出したい、その目。
飢えて渇いた俺の中、いつだってそこにある。
臓腑引き攣らせるくらい、俺を殴る。
「……テメェの脳髄ぐちゃぐちゃにブチ撒けても、まだ気が済まねェよな? 秀人クン」
壊れた、壊した、拳の。
骨の中で脈打ち、全身に血として満ち溢れる、憎悪。
甘いように震わせて、何もかも青く塗り潰す。
痛いのか、熱いのか。
左手が、誰かの心臓を掴んでいるようで
恍惚と握り潰した。
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緋咲さんの方。
嫌いすぎて上機嫌。 嫌いだから上機嫌。
『双色染め』は26000HITしてくださった碧雲さんに捧げます。
だいぶお待たせしてしまいました。
ですが、こんな薄情者のことを覚えていてくださって、ありがとうございます。
そのお気持ちに少しでも報いることが出来れば、と思います。
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