WARNING!

この先、18歳以下の閲覧を禁止します。
描写はわりとぬる目ですが、それでも禁止
はん?18禁なんて全然OK、な方も以下の条件にあてはまるかご確認ください。

・龍也兄さんが緋咲さんに苛められるのも、ありだ。
・二人を比べたら絶対龍也さんの方が、良い人だ。
・ぶっちゃけ、二人がセフレみたいでも気にしない。

ハイ、以上3点です。
自分この先進む自信ないわ、という方の出口はコチラ

全然平気、と言う方は↓へ進んでください。


注意!このSSは表・裏においてある他のSSとは別ものとしてお読みください!












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「ちっと一服してくる」

そう言って龍也は教室から出た。
ついて来ようとする奴等を帰らせて一人廊下を歩く。
どうしてか今日の学校は静かだった。
普段の大して意味も無く満たされている喧騒が遠いどこかに消えている。
今日はまるで、平穏、と言ってもいいぐらいで。
ぼんやりと窓の外を眺めながら龍也は煙草を銜えた。
明るい青の空。
滑らかな濃淡の中、風まで穏やかにゆるりと雲を散らしていく。
一陣。
開いた窓から細い風が吹き抜けた。
ふと視界で紫の影が揺れる。
「あ、俺にも火貸して」
そいつは龍也が煙草に火をつける前に、ジッポを持つ腕を引き寄せて自分の煙草に火をつけた。
いきなり視界に割り込んだそいつに龍也は声を上げた。
「緋咲!?」
名を呼ばれて煙草を銜えた唇が吊り上る。
緋咲は目を丸くして驚いている龍也を眺め、冷たい色の瞳をきゅうと細めて笑う。
「何て顔してんのアンタ」
「てめぇが何でココにいんだッ」
我に返った龍也は緋咲の腕を掴むと有無を言わせずに走った。
日頃の彼を知る者なら驚くほどに頑張って走ったが、幸い誰にもその姿は目撃されなかった。
「腕痛ぇよ…」
引き摺られながら緋咲は呑気。
「うるせぇ!黙ってろッ」
龍也は無下に言い放った。
なんでこいつが“乱校”にいんだよ!
龍也が判断するに、ぶっちゃけ緋咲薫は性格破綻者だ。
揉め事が勝手に向こうから遊びにくる上にそれを大歓迎な奴だ。
更に性質が悪いのはコイツが横須賀麓沙亜鵺の頭ということだ。
そんな奴をここ、乱校で野放しにしておくと……
只でさえややこしい乱校内事情が更にもつれるコト請け合い。
が、他人事ならこれほど楽しいことも無い。
龍也にとって問題なのは、コイツがわざわざ自分のところに来ているということだ。
事情の知らない者にこの図を見られて、好き勝手に憶測されるのもうざい。
事実の上で、朧童幽霊と麓沙亜鵺は関わり合いが無い、というのがいいのだ。

龍也がどうにか緋咲を引き摺りこんだのは屋上に行く階段の踊り場だった。
この校舎の屋上は封鎖されていて、ここに来る人間は龍也以外滅多にいない。
「…で、てめーはココで何してんだ?緋咲」
龍也はきつく緋咲を睨んだ。
踊り場の狭い空間を龍也の苛立ちが占拠していく。
そんな龍也を眺める緋咲は何故か初めて見るほど上機嫌。
細く紫煙を吐き出し、唇を吊り上げる。
「何って、あんたに会いに来たんだよ」
平然と言われた台詞に龍也は鼻で笑う。
「てめぇがそんなタマかよ」
龍也は緋咲のコトを知っている。
緋咲の指先や唇の感触を知っている。
けれど、それだけだ。
だから、たかがほんの2・3回やっただけの相手に会いに来るなんて、
そんな奴じゃないってことを知っていた。
警戒を崩さない龍也を眺めながら、緋咲は笑った。
だるそうに手摺に凭れて紫煙を燻らせる。
「ひでぇコト言うね?龍也サン。せっかく来たのに…もう少し喜べよ」
「…っ、バカかてめーは」
一瞬、緋咲を殴ろうかと考えて、龍也はふと思いとどまった。
この踊り場は下からは死角になっていて見えないが、騒ぎを聞いて誰かが来ないとも限らない。
舌打ちして龍也は緋咲に向き直った。
「もう一度だけ聞いてやる……緋咲、てめー何しに来た」
階段の数段上、壁に寄りかかって見下ろしてくる龍也を
緋咲は小首を傾げて眺める。
上機嫌な唇が銜えていた煙草は白い指に摘まれて階下に落ちていった。
「…別に……ただヒマでしょーがねーから……」
訝しむ龍也を冷たい色の眼差しが真っ直ぐに見上げる。
「俺と遊んでくれよ、龍也サン?」
言葉と同時に緋咲の腕が伸びて龍也を掴んで引いた。
態勢の崩れた龍也を手摺に押し付けて緋咲は顔を寄せ
額が触れ合いそうなほど間近で龍也の双眸に微笑かけた。
龍也は覗きこむ、その冷たい色をした瞳を。
凍りついた湖面に似たその奥で、何か暗いものが沈んでいるような気がした。
刹那の違和感。
けれどそれは唇の感触に掻き消される。
少し冷たい唇はなぞるように龍也のそれに触れて
濡れた舌がちろりと舐めた。
つい薄く開いてしまった龍也の口内に入り込んでゆっくり歯列をなぞる。
「…ん…」
濡れた音が響いた瞬間、龍也は自分の背筋にぞくりと這い上がるものを感じた。
高らかな警笛は確かに脳味噌の中で鳴り響いていた。
今すぐ緋咲を殴り飛ばさなければいけない。
なのに膝からは嫌味なくらいに心地よく力が抜けていく。
血の温度が上がっていくのが分るだけ忌々しい。
「……っ…はぁ」
溜息が濡れる。
ようやく緋咲に解放された龍也はふと肌に外気の流れを感じた。
視線を降ろすといつのまにか長ランのボタンは全部外されている。
「緋咲てめー、手癖悪ぃんだよ…!こんなトコで何考えてやがるッ」
罵る龍也の肌に淡い朱が差しているのを眺め、濡れた唇が弧を描いた。
「あんた、トロいね」
妙に上機嫌な微笑の中に薄ら寒いものがある。
「腕、気付いてねーの?龍也」
「あ?腕…?」
腕は、動かない。
「っ!てめー…」
後手に回された腕は緋咲がさっさと引き抜いた、龍也自身のベルトで階段の手摺に固定されていた。
外そうとして思いきり腕に力をこめても、手首にきつくベルトが食い込むだけ。
「あんた全然気付かねーんだもん。そんなによかった?」
憤激と恥辱で言葉が出ない程きつく、龍也は睨む。
冷たい色の瞳が微笑した。
その目がふと龍也から外される。壁に寄りかかり、目の前の龍也をまるで気にする事無く茫と呟いた。
「ホント…ヒマでヒマでしょうがねーんだ…」
口許に浮かんだ上機嫌な微笑は危うい冷たさをも内包して。
龍也は先程ほんの一瞬感じた違和を思い出す。
それが何なのか。理解するための具体的な言葉は役に立たない。
ただなんとなく、今日の緋咲はいつもと違っていた。
「…緋咲?てめー…なにキレてんだ」
状況を忘れ、思わず龍也が呟いた言葉に緋咲は顔を上げた。
「キレてる?俺が……?」
冷たい色の瞳はほんの少し見開かれている。
「……別にキレてねーよ、まだ……」
一瞬口許に浮かんだ微笑は寒気をもたらす類のものだったが
不意にそれも消えてしまう。
緋咲はゆっくりと龍也に顔を近づけた。
「…いや?…キレってかも…あんましヒマでさ?…死にそうなくらいヒマなんだ」
視線が絡み合ったのは刹那。
「ヒマでヒマで死にそうで……」
睫毛の影を数えられるほど龍也の間近にあった冷たい色の瞳が、俯くように視線を外す。
小さな声がそっと囁いた。

ぶち殺す。

それは、冷ややかな悪意。
そして歓喜。
「緋咲…?」
龍也は分らない。
緋咲のことが分らない。
酷く不安定で移ろいやすい精神が今何を感じているのかなんて知らない。
ただ、漠として知っているのは
緋咲はやはり自分に会いに来ただけじゃないということだ。
「だからさ、あんた。代わりに俺と遊んでよ」
不意に顔を上げた緋咲は龍也の唇に軽くキスした。
何の代わりなのか聞こうとした龍也は慌てて顔を背けようとしたが、
後手に戒められていては簡単に緋咲に抑えられ、また背筋をぞくりとさせる快感を味わう羽目になる。
痺れるような感覚は龍也の意識を絡め取ろうと艶かしい指先を伸ばす。
龍也の肌の上を緋咲の手がゆっくりと這い降りていく。
ファスナーを降ろし、既に熱く硬くなっている龍也を取り出して指を絡めた。
「っあ……」
思わず龍也の腰がびくんと跳ねる。
「もう、たってんの?」
揶揄する声は龍也の耳のすぐそばで囁かれた。
「うっせぇよ…!」
龍也はきつく緋咲を睨もうとするが、その瞳はもう熱に潤んでいる。
焦る意識に反して、素直すぎる身体は緋咲の白く長い指に翻弄されていった。
「……や…やめ…ろ」
掠れた制止が役立たずなのは理解していても、そう言わずにはいられない。
緋咲の指が動くたび、踊り場に濡れた音が響いていく。
自分の耳を塞いでしまいたくなるほど淫らなその音に混じって
どこかの教室の笑い声が聞こえる。
「は……あぁ…」
なのに、唇を震わせるのは熱く湿った吐息。
緋咲は綺麗な桃色に染まった龍也の耳朶に軽く歯を立てた。
途端に龍也が息を詰めるのが分る。
手の中のものは雫をこぼしながら脈動して、終わりを切望しているようだった。
「ちょっと、もうイキそうなんかよ?まだ早ぇだろ」
戯れに強く扱くと龍也の唇から甘い悲鳴が洩れた。
龍也の潤んだ瞳が緋咲を睨もうするが、快感に脆い身体は言う事を聞かない。
ただ昂ぶりつづける欲求をどうにかしてくれることを望んでいた。
「もっと頑張ってみせてよ?龍也サン。
狂乱麗舞の総長サンがこんなトコでチ××弄られてあっさりイッちまっていいの?」
荒い息をつく龍也はただ弱々しく首を横に振った。
その口はもう悪態すらつけずに切ない喘ぎを洩らすだけ。
緋咲は冷ややかに笑う。
「ふぅん?まぁ、そーだよな……そんな恥ずかしいコトあんた出来ねーよね?
だからさ、もう少しくらい俺を楽しませてよ、龍也サン」
言いながら緋咲の爪が雫をこぼす入口を抉る。
身体を貫く強烈な快感に龍也は一瞬声を殺すのも忘れて悲鳴を上げた。
「あーあ、でけぇ声出しちゃって。知らねーよ?誰か来ても」
緋咲は構わずにもう一度爪を突き立てた。
「ぁあああッ!!」
龍也の四肢を電流のように快感が駆け抜ける。
意識が白く破裂しそうになった瞬間、緋咲の指が根元を強く掴んで流れをせき止めた。
達せないもどかしさに龍也の身体が震える。
腰から脚から全て熱く熔けていきそうで龍也は身を屈めようとした。
「だから早ぇって。あんた人の話聞いてねーだろ」
残酷さを露とも感じていない緋咲は龍也を見下し、危うい上機嫌な笑みを浮かべる。
その時、唐突に緋咲の携帯が鳴った。
「ん…」
龍也自身を抑えたまま緋咲は別の手で携帯を取り出す。
一瞬、冷たい色の瞳に閃いた光に龍也は気付かない。
「コラ土屋。人のお楽しみ邪魔すんなよ…?これで詰まんねー話なら殺すからな」
それは龍也にも聞き覚えのある名前だった。

「……そうか……」

不意に緋咲の指が龍也を解放する。
脱力して安堵の息をついた龍也は顔を上げた。
冴々とした冷たい色の瞳は笑っていた。
「遅ぇんだよ?あんましヒマでこのまま死ぬかと思った。…けど、まぁいいや。集合かけとけ」
寒気がするほど艶かしい悪意が双眸を濡れたように煌かせる。
「…アイツ、殺してやる…」
吐息のように唇から零れるのは冷ややかな歓喜。
仮初の、危うい上機嫌さはもう緋咲から消えていた。


携帯を切った緋咲はさっさとその場を離れ階段を降りていく。
「緋咲 !!」
龍也の掠れた叫びに怪訝な顔で振り返る。
「なに」
「てめぇの都合なんざどうだっていいけどな!行くんならコレどうにかしてから行きやがれッ」
吐き捨てるような声は小さかったが明確な怒気を孕んで緋咲に届く。
緋咲はきゅうと目を細めて龍也のところにまた戻ってきた。
「コレって?手ぇ外して欲しいの?それともイかせて欲しいの?どっち」
一瞬言葉を飲み、目許を赤くしてきつく睨んでくる龍也を眺め、緋咲は冷たく言う。
「悪ぃね。俺もうヒマじゃないんだ。そのうちどっかの親切なバカが輪姦してくれるかもしんねーよ」
「緋咲…てめぇッ!」
思わず怯んだ龍也に緋咲は薄く笑った。
「…ふぅん。あんた、しょうがねー人だね。ま、いいや。俺ってわりとあんたに甘いんだよ」
どこが、と龍也は大声で叫びたかった。
緋咲は龍也の前で膝をつくと、
「俺フツーこんなことしねーんだから感謝して欲しいな」
終わりたくて震えていた龍也自身に唇を寄せる。
「…これから喧嘩行くのに、あんたひでぇコトさせんね」
間近に囁かれる快感に罵声を飲み込み、龍也は熱い吐息をついた。
柔らかな濡れた舌に先端を舐められ、熔けそうになっていた下肢が震える。
緋咲は白い目蓋を閉じてゆっくり咥えこんだ。



















紫煙を燻らせながら龍也は階段を降りていく後姿に声をかけた。
「おまえこれから…“外道”やりにいくんだろ」
緋咲の冷たい色の瞳がちらりと振りかえって、ほんの少し唇を吊り上げた。

「…じゃ、またな。龍也サン」















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某所に献上したものを思い出したようにこちらにもアップしました。
あー…、やっぱり学校っていいですね。こういうのは好きだったりします、ハイ。
教室とか屋上はシチュエーションに関らず、情景として書くのは好きですね。

注意書きでも言いましたが、これは他のSSとはまったく別次元のものです。
特に裏においてある『 PHANTOM PAIN 』を念頭に置いてはいけませんよ。
こちらのはもう、夏龍を前提にするぐらいの勢いで!
しかも受×受な感じで。
左拳が凶器の16歳は限りなく攻くさい受でお願いします。
頬に傷ある男前17歳は攻になりたくてもなりきれない受でお願いします。
以上、プチ主張でした。


あー、もう走って帰るぞ!