「でー」
「あ?」
「その後どうしようか」
顔見合わせてそびえるコンクリート。
吹き溜まりの風はぬるく行き惑う。
隠れたような、追われたような、狭い路地裏で。
「コンビニ強盗とか? 列島縦断」
「とかじゃねえ。なんだ縦断て」
「じゃあ銀行だ。二人で銀行強盗になるんだ」
口の端で笑った。
煙草の煙、青白く立ち昇る。
ざらつく暗い壁の狭間、細い細い宵空には、
金属の蝿が飛び舞う。
「それで、あのヘリコプターを乗っ取る」
見上げても、見えやしないが。
その翼はきっと綺麗な銀色だ。
「墜ちるな、確実に」
火を吹いて星のように降ればいい。
宵の淡々した黒を、燃え墜ちる流星群。
海まで見に行こう。
そんな夢想した鉄パイプ。
いびつな、ゆがんだ、それを握り直す。
割れたガラスの破片。
叩き潰したいのはこんなものじゃない。
「いや、俺は脱出できるね、きっと」
うまくやる。
うまくやれる。
へらへら笑ってタイミング計って、狙いどおり頭に一発。
それで終わらせるかクソ野郎。
「じゃあ行ってくるわ」
路地裏を出れば、あとは疾走。
げらげら笑って止め刺したら、
蝿の羽音を聞きながら地獄の底まで逃げてやれ。
宵空は銀翼の、流星群。
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中坊な相賀つんと土屋、のつもり。
相賀つんは麓沙亜鵺になる前はもっと破滅的な子だといいよねという妄想。
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