「白菜」
「豆腐」
「肉」
「しらたき」
「魚」
「しいたけ」
「うまい棒」
うまい棒?
「おまえは口を開くな」
うまい棒に横線をしっかり引く。
「あとはネギが足りないから、それと……」
「歯ブラシ」
歯ブ……まで書いて、止める。
「緋咲さんまでおかしなコト言わないでくださいよ」
「歯ブラシ、ついでに新しいの買う」
途中で止めた字を続ける。
「じゃ、歯ブラシ、とネギ……後はなんか適当に買ってきてください」
「行ってきまーす」
「行ってくる」
「ハイハイ、妙なもん買ってこないでくださいよ」
窓が小さくかたかた鳴る。
その次は何か固いものがあたる音。
ああ、あられだ。
やっぱり今日は寒い。
そういえば、傘を持って行ったんだろうか? あの二人は。
「よお、ご苦労さん」
「よー」
「天気悪いんですから、傘持って出てくださいよ」
「ん? まあ、近いし」
「近いし」
「それに、おまえ来るだろ」
そりゃあ来ますけど、ね。
と、こっちが文句を言う前にさっさと歩き出している。
靴の下であられが砕ける。
灰色の夜空は雲が流れ、持ってきた傘は必要なくなった。まあ、いいや。
家に帰ろう。
「てめ、うまい棒買いやがったな」
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今日は鍋。
買い出しは民主的にジャンケン制を採用。
けれど結局三人で帰る。
うまい棒もあるので、今日は闇鍋ですよ。
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