たいとる : 『7と黒』
ながさ :短っ。
どんなお話 :ジョーカーはいつだって好き好き大好き。
ちゅうい :一部不愉快な表現があるぞよ。




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加減を間違えて、うっかり、蝙蝠を殺してしまった!

骨も残さず!
蒸発させた!

神様、悔い改めます。
あいつの一欠片でも俺に投げ与えてください。
そしたら、犬みたいに、大事に大事にいつまでもしゃぶって
残りはテーブルの下に隠すから

神様

あたしがキスしたら
あの人は目覚めてくれる?


な ん て 大失敗! 嗚呼ッ




泣き濡れて暮らした三日目の晩
すっぱりと威容を正し、捧げ奉る祝祭の灯
天を焦がすような、爆炎を
まずは港
次はイーストサイドのド真ん中
宴の主役は、まだ現れない
もっと花火が欲しい?
だったら好きなだけ
赤い赤い
真っ赤な火の玉
盲のあいつの目玉で踊れ

ヘドロの街の奥底の
底無しの底の暗闇の

羽ばたき


(狂人だなんて人は言うけれど、)
(あたしはあなたを知っている。)


たとえば、いつか、この街が
みんな仲良く本当のキチガイになって
あのおとぎ話の街みたいに、滅ぼしちゃえと神様がお決めになっても
聾のあいつは聞こえない
父親に孕まされた白痴の娘のために
神様だってぶん殴りに行っちゃうんでしょ?
いつもの顰め面してさ
産まれてくる赤ん坊もキチガイなのにね


(狂ってるだなんて、そんな!)
(あたしと同じくらい正気だわ。)



ねえ
だから

早く戻ってきて

赤い空
炎が輪になって踊ってる
その黒煙の中から生まれ出る影を
待ち焦がれてもう、溶けてしまいそう
殺しても、殺しても、殺しても
何度でも暗闇の底から羽ばたいて、この地上に帰ってくる
つまらなそうに、顰め面して




一番大きな花火が
足の下でカウントダウンしてるの
破裂しそうなあたしを救って、MY HERO!



















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八百屋お七。
というか、ゴッサムが危機になれば必ず蝙蝠は来てくれるよね、っていう信仰。
うん、迷惑。
ジョーカーがたまに蝙蝠に向かってMy hero!って言ってる時があるの。
そういうの好き。
この人は、蝙蝠のことを世界で一番誰よりも愛しているのは自分だという確信があるといいですよ。
まあ、実際その台詞を吐くにはアルフレッドとディックを倒す必要があるけれど。




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