ちゅうい :ほどほどに腐女子向けだよ、中学生以下の良い子は閲覧禁止だ。 GL/蝙蝠




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ところで、ハルは人妻を寝取るような趣味はない。
事前に確かめてみることもないが、厄介事に巻き込まれるのは面倒なのだ。
どうせ長くは一緒にいない。
来るものを拒まず、去るものを追わず。
その時が楽しければ、それでいいじゃないか。

しかし、今。
大気圏の上空、衛星軌道を周回するキッチンで。
世界屈指の大富豪にして、犯罪者達を心の底から震え上がらせるヴィジランテ。
という複雑怪奇な人格である上に、
未成年を保護、育成する者としてのアイデンティティクライシスに、深く深く思い悩む友人の。
微かに朱に染まった目許や、頬や、唇や。
ふれられるところのすべて。
口付けしながら、慰めているのは。
純粋に友情であると、ハルは思っている。
簡単な理屈だ。
女とは別れられるが、友人とは別れられない。
恋人に背中から刺されるのは仕方のないことだが、
友人に背を向けられるのは、切ない。

その友人は、なんだかまた、懊悩の深いところに潜り込んだようなので
ハルが代わりに、本人以外が脱がしにくい、圧の掛かったスーツを相手に、骨折る。
半端に脱いだだけなのも、いやらしくて楽しい。

思うに、やっぱりブルースは、考えすぎだ。
ややこしいことの大抵は、寝て起きたら、忘れてしまえばいい。
けれど、この偏屈蝙蝠は、夜は闇空を飛び回るし、
昼は洞窟の中で鬱々して、眠ることがない。
だから、たまには気晴らしに。
ハルと遊ぼう。

簡単な遊びで、ブルースも嫌いじゃないと思う。



「…………ッ」
「ん? ああそう、良かった」
「違、う」

顔は真っ赤になってるし、目なんか潤んでうるうるで
何が何に対してどう違うのか、知らないが。
そんな支離滅裂を甘やかすのも、楽しい

怒っているブルースを、もっと怒らせるのは、面白い。
けれど、泣きそうな顔になってるブルースは、可愛い。
とても可愛い。

溺れる人が、闇雲に天へ両腕を伸ばすように
ハルにしがみついて。
藍色の瞳から、きらきら
光あふれる
それが 本当に。
痛いとか、苦しいとか、そんな悲しいものじゃなく、
誰かのことを心から愛して、だから今、
涙がぽろぽろ、止まらないのが
本当に、可愛い。

「……私は いったい 何を、やってるんだろう……」
「セックス?」

もう少しだけ具体的に答えるなら。
ウォッチタワーのキッチンの、床に広がる黒いケープの上。
する予定のデータ化作業を放り出し、
子供に言えない格好で、熱に浮かされて喘ぎながら、休憩中。
ハルはハルで。
場所のせいか、それとも、頭のネジが
いつもと違う方向にゆるくなった、ブルースのせいか。
睫毛を濡らしたまま、ぼんやり呟いた唇や
唇や、唇に。夢中でキスしながら。
やけに切羽詰まってくる。

ブルースが、溜め息をついた。
そして、投げやりに一言、Please.
ゆるり、薄く明ける瞳は
正気から解かれたような、澄んだ藍色。
少し首を傾げ、ハルの唇に噛みついて
続きを、早くと。


こいつまさか、宇宙一可愛いんじゃないのか。




















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今に始まったことじゃないよ。


おハルさん、基本的に女関係は回転率が良いつーか、キャロルでさえ何回別れたのか。
んで、GLになってから色々不定期になって、地球にどれくらいいるか分からないし、いつ宇宙から帰ってくるか分からないし。
だから、維持するようにしてる人間関係自体が少ないんじゃないかと。
地球に留まる時間が短くなればなるほど、めんどいのはちょっと、とか思ってる。
JLの面子は、地球に帰れば遊んでくれる貴重なお友達。
しかし、蝙蝠はツンデレという枠を超え、 積極的に面倒くさい人格なのである。
それはいいのか。





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