『JLA : AMERICAN DREAMS』 (JLA 2)


WRITER : GRANT MORRISON
PENCILLERS : HOWARD PORTER / OSCAR JIMENEZ

出版:1997年
掲載:JLA 5-9 (1997年)



【JLAメンバー】
スーパーマン? バットマン ワンダーウーマン
フラッシュ(ウォーリー) グリーンランタン(カイル) アクアマン ジョン・ジョーンズ
後半 グリーンアロー(コナー)


【大まかな流れ】
3部構成。
32世紀の兵器が暴れ出したり、空から天使の軍隊が降りてきたり、悪夢の世界に引きずり込まれたり。
JLAは今日も大忙しです。



【つれづれ雑感】
薄い本の中にまた色んな事件が起こりまくりでした。

一話目、JLAメンバーの通常業務風景が楽しかったです。
基本的にゴッサムシティから離れたがらない蝙蝠とか、そんな蝙蝠のとこに超人がテレポーターを使いに来るとか。
蝙蝠のとこが一番近かったから、らしいんですけど、そうなの?
墓地のシーンで、緑矢のおいたんとGLハルのお墓が並んでました……。
月のウォッチタワーでカイル君とウォーリーが格ゲー(カイル君作)で遊んでたんですけど、
超人ちょっと髪長すぎじゃね? という会話を本人に聞かれてますよ。
今は髪が長いどころか全体が青いけどね!
カイル君が蝙蝠についてぼそぼそ語ったこともばっちり聞かれてると思います。
まあ、超人は蝙蝠にばらさないでしょうけど。
最後のIvoとMorrowが良いキャラしてました。

2部目、蝙蝠がいませんでした!
いや、うん、全くいないわけじゃありませんけど。
ZAURIEL、ザウリエルでいいんですかね? 天使が地上に墜ちて、それを追って天使の軍団が来たよ、という話。 なんですが。
この天使、WWに事情を説明しろと言われて「Yes,ma'am !」と答えてしまうあたり、結構ノリが良いと見た。
うん、でもたしかにWWには誰も勝てないよと思います!
燃える船が空から墜ちてくるのを自分の身体で支えるWWとジョンジョンが格好良かった。
危ないよジョンジョン燃えちゃうよ。
海王様は、前巻と比べると協調性が増したなあと思います。
途中から来て「話に入れてよ!」って言うフラッシュに答えたのが楽しかった。 あれ、やっぱり気にしてるんだね。
で。
読んでて一番にやにやしてしまったのが、超人とフラッシュの会話なんですが。
超人が最初の方でフラッシュに
「I don't know if I can live up to this...myth they want me to be.」
とか何か自信なさそうなコト言ってたんですよ。
さらに続けて、
「How does Batman manage to make his own rules?」
とか言うんですよ。
もうね! その微妙な自信の無さがいったいどこから来るのかこっちが聞きたい!
そこで蝙蝠を引き合いに出す発想はどこから来るの……面白い。
そんなこと言っておきながら、この人は結局一人で月が地球に落下するのを止めたし天使と殴り合いするし。
まったくどこを見てもスーパーマンですよ!
どの口があんな台詞言ったのかこっちが知りたい!
て、フラッシュが言ってた。
彼の超人へのアドバイスがさっくりしてて良かったです。
ウォーリーは結構冷静に人のことを見てるんですね。
超人の良く分かんねーところは、本人はたぶん本気でそう考えてるところです。

ところで、カイル君がまた妙なもん作ってました。
この話だとそのおかげで天使の軍団を消すことが出来たんですけど、それ、似たようなの前も作ってたのよね?
あのハムスターが走って回すの。 くるくるくるって。
それ、本当にフラッシュが走る必要、あるの……?
この二人、年子の男兄弟みたい。

2部目の最後でようやく蝙蝠がなんか駄々こねながらウォッチタワーに顔見せたと思ったら、
いきなり全員ぶっ倒されて3部突入です。 なんで蝙蝠をまたぐのかな。
The Keyとかいう昏睡状態から目覚めた、脳細胞フル活用の人が、JLAに悪夢を見せて、
彼等がそこから目覚めようとする力を利用しちゃうよ、というお話。
夢の内容は人それぞれ。
GLになったカル・エルや、未来のゴッサムシティ、インディー・ジョーンズな世界のWWなどなど。
夢の中の蝙蝠は60代、セリーナと結婚して既に21年。
蝙蝠はティムが継いでいて、ブルースJrがロビン。
そしてJのつくあの人が帰ってきて最後の対決をするよ、という悪夢。
基本的にJ王子と蝙蝠の対決がホントに好きなので、
「Whatever you say. Just let me see the look on your face when I do it, Brucie...」
ここだけでテンション上がります。
ていうかBrucie言った!
結局、蝙蝠はそれが夢だと気づくんですが、蝙蝠という人は、
本当に人間? と聞かれるとちょっと首を傾げたくなるところがありますね。

一番遅くまで夢だと気づかなかったのがカイル君なんですが。
蝙蝠の、カイル君の扱いが、うん、カイル君は何の夢を見ているのかな?
「Nintendo has a lot to answer for.」
蝙蝠に任天堂呼ばわりされてました。
そしてa lotとか言ったくせに、ざっくり説明を完結させる蝙蝠が私は好きです。
このざっくり感と、緑矢のおいたんの息子に対する態度との違いが、うん。
おいたんの息子とカイル君、そもそもキャラが違いますけどね。

事件が解決した後、一番最後の超人と蝙蝠の短いやりとりが良かったです。
おやすみ、って言われた後、言った相手がいなくなってから小さな声で答える蝙蝠様が、たまらんのです。
この二人はお互いが誰なのか知ってるんですね。




(2009年12月)

もどる