『JLA : NEW WORLD ORDER』 (JLA 1)


WRITER : GRANT MORRISON
PENCILLER : HOWARD PORTER

出版:1997年
掲載:JLA 1-4 (1997年)



【JLAメンバー】
スーパーマン バットマン ワンダーウーマン
フラッシュ(ウォーリー) グリーンランタン(カイル) アクアマン ジョン・ジョーンズ


【大まかなお話】
突然ワシントンD.Cに巨大な宇宙船が出現した。
中から現れたのは、帰るべき星をなくした異星人「THE HYPERCLAN」だった。
自らの文明によって故郷を失ったという彼等は、ようやく辿り着いた地球という星を同じ目に遭わせられないとして、
サハラ砂漠を緑化してみせるなど彼等の優れた技術と特殊能力を見せつけていく。
彼等の行動は行き過ぎていったが、既に地球人はマインドコントロールされ、彼等の行動を称賛するだけだった。
全ては、初めから計算された侵略だった……。




【つれづれ雑感】

話は展開早くて、内容も分かり難くない。
だからJLAメンバー内のやりとりに目が行く一冊でした。
こう、まだ馴染んでないツンツン感のある感じが新鮮でした!

このJLAメンバー。
本当に個性強いというかバラバラというか。 それなのに噛み合うのが面白かったです。
バラバラ、というか自由すぎると思ったのは海の王者です。
人の話を聞く気配がまずありません。 でもそんな海王でもWWにはかないませんでしたが。
正直、もしWWとジョンジョンがいなかったら、このJLAがまともに機能するのか心配です。
ところで、海王様は超キューティクルでした。

JLA本の良い所は、ちゃんと最初にキャラクター紹介がついてるところですね。
相変わらず知識すかすかの管理人です。 紹介があると無いとで結構違いますんで。

途中、ジョンジョンの提案によりメンバーを3つに分けるんですが、それが的確すぎでした。
ウォーリーとカイル君が組むんですけど、お互い妙に対抗心があるのが楽しかった。
でもゴビ砂漠で超高速移動する敵に遭遇した時の、二人の反応の差に燃えた!
ウォーリーかっこいいよウォーリ。
彼についてはJLアニメの印象が強いんですが、ちょっと印象違います。
まあ、この時はオチ担当にカイル君がいるから、というのもあると思いますが。
カイル君、頑張ってますけど空回りすることもしばしば。
そこが良い。 めげない良い子です。
そして反応が一々楽しい。

メンバー分け後、超人と蝙蝠が南極に向かうんですが。
その時の二人の会話が……私はどうも超人が良く分かりません。
ここで二人ともジョンジョン提案の組み分けを評価するんですが、超人が蝙蝠に、
「But you don't like this,do you? You don't like working with... with superpeople.」
て聞くんですよ。
え? それって今聞かなきゃならないの?
実はもう南極間近だったのに、蝙蝠も自分を追い越して先に行けって言ってたのに、
あえて話を振ってそれを聞きたいの? こんな時に?
蝙蝠は別にジョンジョンの組み分けが不味いなんて一言も言ってないよね?
なのに超人にとって、蝙蝠のdon't likeは聞いておかなきゃいけない案件なの? そうなの?
ちなみに、蝙蝠の返事はなんかチクチクしてました。
蝙蝠はその後、我が道を行くやりたい放題っぷりでした。
とっても蝙蝠でした。

ウォーリーとカイル君の分かりやすい関係に対し、
超人と蝙蝠のなんか微妙な関係が、個人的に口のあたりをもにょもにょさせる一冊でした。
好きです、微妙な関係。




(2009年11月)

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