『FINAL CRISIS』

WRITER : GRANT MORRISON
ART : J.G.JONES / DOUG MAHNKE 他

出版:2009年
掲載:FINAL CRISIS #1-7 / FINAL CRISIS : SUPERMAN BEYOND #1-2
    FINAL CRISIS : SUBMIT / FINAL CRISIS : SKETCHBOOK 1 (2008年―2009年)



【概要】

2008年のDCU全体を巻き込んだクロスオーバーで、アポカリプスの神ダークサイドとの最終戦
ですが、あらすじまとめるの、無理でした!
とりあえず、面白いか面白くないか言うと、私は面白かったです、ハイ。
こんな話良くまとめられたなーと思いました。
そんなわけで、何が起こったのか四行でぶっちゃけてみましょう。 話半分で御覧ください。

・ダークサイドが本腰入れて半端なく地球征服。
・同時進行で52ある地球も、それを監視するモニター達の世界も崩壊寸前。
・因果応報によりバットマンがダークサイドに致命的な一撃を与える。
・バットマンの死体をスーパーマンが見つける。

なんじゃそら! と思った方は素直に『FINAL CRISIS』をお読みください。


色々無理だったので、以下は、読んでみた雑感やら私が注意したことなど、つらつら書いていきますよ。




【蝙蝠】

バットマンばっかり追いかけてるサイトなんで、とりあえず初めに彼の動きだけおさえておきましょう。
『BATMAN : R.I.P』にある「Last Rites」の後半で、「JLAから呼び出しがかかっている」というくだりがありますが、
『FINAL CRISIS』は、その後の話です。
JLA招集理由は、ニュージェネシスの神オリオンが殺害された事件。

ところで、相変わらず知識のうっすい私にとってオリオン=飛んでて撃ちまくり、なんですが。
アニメにあるフラッシュとこの方とバッツのお話が好きです。

で、蝙蝠。
そういう理由でJLAが招集され、同時進行でメンバーの一人が殺害され、
さらにオリオンの事件を調査していたGLジョンの殺害未遂容疑でGLハルが逮捕される等々、
ほぼどさくさに紛れて蝙蝠は拉致されるので、わりと早めに途中退場します。

まあ、この拉致の目的が何だったかについては「Last Rites」にありますが。
しかし、考えてみるとこのタイミングで拉致されたことが後にダークサイド消滅まで繋がってくるので、分からんもんです。
拉致中の蝙蝠が何をしていたか知りたいよ、という方は『BATMAN : R.I.P』の「Last Rites」を御覧ください。
ちょっと間違ってる人生のおさらい?
のついでに、クローン兵士工場壊しちゃいました。

『FINAL CRISIS』本編での蝙蝠の再登場は後半も後半。 ダークサイドとの一対一の対決であります。
この時点で、神を殺しうる手段を持っていた、かつ、ダークサイドに近づくことの出来た人間は、
拉致されて内部にいたバットマンだけなので、この対決は必然だったのでしょう。

この対決の結果に基づいて、その後のDCU蝙蝠世界は進んでおります。




【本編の順序】

本に掲載されている順序としては、
FINAL CRISIS #1-3 / SUPERMAN BEYOND #1-2 / SUBMIT / FINAL CRISIS #4-7 です。
途中すっ飛ばしてFINAL CRISISだけ読むと訳分からんことになります。



【前提というか注意というか】

いつまで経っても知識スカスカな私でも、これを知っていれば苦労しなかったよ、というのは。
世界は多重平行宇宙で、地球だって52あること。
その52の地球を監視しているモニターという存在がいること。
アポカリプスの神々は超おっかないということ。
これぐらい知っておけば読むのに困らないと思います。
私にとって初見のキャラも多かったですけど、それはそれで面白く読めました。



【話の主軸一:地球】

ダークサイドとその勢力との戦いが描かれていきます。
対決というか手遅れな状態から開始します。 ダークサイドが一手も二手も先を打ってる。
その中で「anti-life equation」っつーのが出てくるんですが。
これを聞くとダークサイドを完全肯定してしまう、というか、ダークサイドと自己を同一のものにしてしまう、らしい。
これのおかげでヒーロー側のキャラも一般大衆でもダークサイド側になってしまう方々続出。
色んなキャラがおっかないコトになっております!
個人的に、ワンダーウーマンを筆頭として巨犬に乗ったおねいさん三人と、
前回に引き続いて酷いことになってるメアリー・マーベルが、酷かった!
酷いというのは面白いということでもありますが。

「anti-life equation」は前回のクロスオーバー『COUNTCOWN TO FINAL CRISIS』にも出てきますが、
それともまた違うものだったような。
でも、なんでメアリーはまた酷いんでしょーか。



【話の主軸二:モニター世界】

『COUNTCOWN TO FINAL CRISIS』から登場してる、アース51を監督するモニターUOTAN。
彼がモニターとしての能力も記憶も奪われて地球に追放される話と、
SUPERMAN BEYONDで描かれる、そもそもモニターとは何者だったのか、というお話。
こちらは、地球の対ダークサイドのお話より遥かにおっきな次元のお話でした。
面白かったんですが、モニターってのはどうしようもねぇな! という感想です。
万能のくせに、ある意味果てしなく無能なんじゃないでしょうか。
ほんとに……話がでかくて。
アース0がダークサイドのおかげでピンチ→他のマルチバース全部が連動してピンチ→
→モニター世界の破滅の物語であるMandrakkもつられて目覚めちゃったよ、でいいんでしょうか?

UOTANは結局、記憶と力を取り戻してスーパーマン達に協力してます。
でも、最後のあれは、彼は自分からモニターを止めたってことでいいんですよね?

このように、『FINAL CRISIS』はちょこちょこと『COUNTDOWN TO FINAL CRISIS』が絡んでますが、
個人的な意見として、『COUNT〜』を事前に絶対に読む必要はないと思います。
あっちは長くて、酷い! 面白くないわけじゃないけど、酷い!
しかしUOTANやメアリーが気になる方はどうぞ。






【さて、以下は死亡した人についていきますよ】






#1で殺害されるジョン・ジョーンズですが。
ジョンジョンの扱いが酷すぎる! とお怒りの方は、『FINAL CRISIS COMPANION』をお求めください。
ジョンジョンの死に様と生き様が描かれてます。
蝙蝠は、彼の棺にオレオを置いて離れました……。
(追記)
ジョンジョンはその後2009−2010年のクロスオーバー『BLACKEST NIGHT』にて大活躍。 オレオもあったよ!
そして2010年4月現在、復活しております。 ありがとうございます!


で、蝙蝠ですよ。
個人的な感想ですが。
この人が死ぬ条件は全て揃っていて、なんというか、ストーリーの中できちんと丁寧に殺された、という印象です。
蝙蝠が銃を使うってどうなのよ、と思えるかもしれませんが、あの蝙蝠に銃を持たせるというのが、とっても最期っぽいですね!
神殺しの銃弾を使うにしても、あえてダークサイトの肩を撃つあたりがすごく、この人らしい。
急所狙えばもしかしたらこの時全てが解決したのかもしれない。 (オリオンは心臓を撃ち抜かれてましたし。)
けど、そうしない。 人は殺さない。 (ダークサイドに寄生されていたのは普通の人間ですし)
そして、最初からオメガサンクションを躱す気がなかったのも、この人らしい、けど!
それでもやっぱり避けろよ!! と叫びたくなるってもんです。
「GOTCHA.」とか可愛いこと言っても許してやんねえ!!

ちなみに。
ダークサイドのオメガサンクションを食らう蝙蝠は『JLA : ROCK OF AGES』にもあります。
そちらも読んでみるのも面白いですね。

そういうわけで。
この『FINAL CRISIS』と、後の『BLACKEST NIGHT』までの、DCU世界の人々(一人除く)の認識は、
「バットマン(ブルース・ウェイン)はダークサイドと対決して死亡」ということでした。
が、死んでねェ!
というのはFINAL CRISIS #7のラストでもはっきりしているわけですが。
死んでないなら何が起こったのさ! あの死体は何なのさ! という疑問に回答が示されるのはもう少し後です。
(追記)
『BATMAN AND ROBIN』の#7以降からじわじわと明らかにされております。
ちなみに、超人に抱かれていた死体は『BLACKEST NIGHT』にも出てきます。
FINAL CRISISのラストからの続きが『THE RETURN OF BRUCE WAYNE』になっております。


ところで。
蝙蝠死亡直後に真っ先に来たのがスーパーマンだったのが、ちょっと ぐっときましたよ。
あんなヒートヴィジョン、初めてでした。
その後も、蝙蝠のケープを自分の傍に置いてたし……。
『FINAL CRISIS』自体が終始 大 混 乱 ということもあり、蝙蝠の死に対する他の人のリアクションは、
この本ではほとんど見られません。
以降に出版されたものを見ても、セレモニー的なものは無かった模様。 そこらへん、まず蝙蝠が拒否ってたようです。
らしいと言えば、らしいんですが。
うん、まあ、そもそも死んじゃダメ!
(追記:↑スーパーマンが来たのは蝙蝠死亡直後でなく、少しタイムラグがあるようです。後の『BATMAN&ROBIN』の展開から考えると)



最後に。
全く本筋には関係ありませんが、GLのおハルさんが誤認逮捕された件に関して、蝙蝠が
「...look,I was never Jordan's biggest supporter,but this just doesn't scan.」
これ、最後の部分だけで充分なのにわざわざ前半をつけたすような蝙蝠様が大好きです。




(2009年9月)

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